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高齢者の防災 | 逃げ遅れる本当の理由は、準備不足ではなく体力不足だ

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東日本大震災で亡くなった方の約6割が、65歳以上の高齢者だった。
令和2年7月豪雨では、死者の約8割が65歳以上の高齢者だった。
令和元年台風19号でも、長野・宮城・福島などで被災した死者の多数が高齢者だった。

なぜ、ここまで高齢者の死亡率は高いのか。

メディアはよく「逃げ遅れ」という言葉を使う。
避難の意思決定が遅かった、情報を把握していなかった、そういう語られ方が多い。

だがこの記事は、そこに真っ向から異を唱える。

逃げ遅れの根本原因は、体力不足だ。

どれだけ防災グッズを揃えても、そのリュックを背負って2kmを歩けなければ意味がない。
どれだけ避難経路を頭に入れても、段差で転倒すれば終わりだ。
「準備した」という安心感と、「逃げ切れる体」があることは、まったく別の話だ。

このサイトを読んでいる人の多くは、筋トレやストレッチの記事を通じてたどり着いたはずだ。
「なぜ鍛えるのか」という問いに、この記事は答える。
防災のために鍛える。
極限の状況で、自分の足で逃げ切るために鍛える。

競合する多くの防災記事は「家族が高齢者を守る方法」を語っている。
この記事は違う。
「高齢者自身が、自力で逃げる方法」を語る。
守られる存在ではなく、動ける存在であり続けるための記事だ。

この記事では、高齢者が本当に備えるべきことを体力の視点から整理する。
グッズより先に体を、情報より先に脚力を。
それがこのサイト「全力老人」が一貫して伝えてきたことであり、この記事の核心だ。

(出典:内閣府「避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針」/内閣府「令和3年版防災白書」)

目次

高齢者が災害で死ぬ本当の理由

数字から入る。

東日本大震災の死者のうち、65歳以上の高齢者が占める割合は約6割に達した。
令和2年7月豪雨では、熊本県を中心とした被害で、死者の約8割が65歳以上だった。

これは、日本の人口構成における高齢者の割合(約3割)をはるかに超えている。
つまり高齢者は、存在する割合以上に、圧倒的な確率で死んでいる。

令和元年台風19号でも、避難中・避難後の死者のうち高齢者が占める割合は全体の半数を大きく超えた。
大規模な自然災害が起きるたびに、被害の中心にいるのは高齢者だ。
これは偶然ではなく、構造的な問題だ。

なぜか。

一般的に語られる原因は3つだ。

① 避難の意思決定が遅い(危機感の薄さ・正常性バイアス)

「まだ大丈夫だろう」という心理は高齢者に限らず起きる。
だが長年住み慣れた土地では特に強く働く。
「これくらいの雨なら大丈夫」という過去の経験が、判断を鈍らせる。

② 避難場所・経路を把握していない(情報の欠如)

ハザードマップを見たことがない、避難所の場所を知らない、そういう人は少なくない。
情報が届かなかった、スマートフォンを持っていなかった、という問題もある。

③ 自力で移動できない(体力・身体機能の問題)

これが最も根本的な問題だ。
情報があっても、意思決定が速くても、体が動かなければ逃げられない。

加齢によって体力は確実に低下する。
70歳の歩行速度は、30歳に比べて平均30〜40%低下するとされている。
筋力は50代から年1〜2%ずつ低下し続け、放置すれば70代では30代の50〜60%程度にまで落ちる。
この「気づかない体力低下」が、逃げ遅れの最大の原因だ。

全力老人がここで提示するのは、①と②を解決しても③を無視すれば意味がないという現実だ。

警戒レベル4「避難指示」が出た。
避難所は1.5km先だ。
防災リュックには着替えと非常食と常備薬が入っている。
重さは12kg。

そのリュックを背負って、雨の中を、舗装されていない道を、段差をまたいで、1.5km歩けるか。

「逃げ遅れ」ではない。
「逃げられない体」だったのだ。

内閣府「避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針」(令和3年5月改定){:target=”_blank” rel=”noopener noreferrer”}では、高齢者・障害者等の避難行動要支援者が災害時に適切な支援を受けられるよう、市町村による個別避難計画の作成を促している。
だがこの指針が前提としているのは「支援を受ける側の高齢者」だ。

全力老人は、「支援される」ではなく「自力で逃げる」を目標にする。
そのためには、グッズでも情報でもなく、まず体力が必要だ。

加齢による体力低下の実態については、体力の衰え 高齢者に起きていることで詳しく解説している。
「自分はまだ大丈夫」と思っている60代・70代ほど、一度読んでおくべき内容だ。

防災体力とは何か。逃げ切るために必要な最低ライン

「防災体力」という言葉は、このサイトで定義する造語だ。

防災体力の定義はシンプルだ。

15kgの荷物を背負って、2kmを30分以内に歩き切れる体力。

なぜこの数字か。

国土交通省の調査によると、自宅から最寄りの指定避難所までの距離は、都市部で平均1〜2km程度とされている。
防災リュックの推奨重量は、体重の10〜15%が目安とされており、成人男性で10〜15kg、女性で8〜12kgが一般的だ。
そしてこの距離を、通常の徒歩速度(時速4km)よりゆっくりとした速度で歩けば、30分前後かかる計算になる。

これが「防災体力」の最低ラインだ。

「2kmくらい歩ける」と思う人は多い。
だが荷物を背負わずに歩ける距離と、15kgを担いで歩ける距離はまったく違う。
さらにそこに「深夜の緊急事態」「雨風」「舗装されていない道」という条件が重なる。
普段の散歩の感覚で考えると、本番で必ず足が止まる。

ではこの体力は、何によって構成されるか。
3つの要素がある。

要素①:下半身の筋力(逃げる力)

防災体力の土台は、下半身の筋肉だ。

椅子から手をつかずに立ち上がれない人は、荷物を持って歩くことが難しい。
階段を上がるたびに手すりに頼っている人は、段差のある避難路でつまずく。

特に重要なのは大腿四頭筋(太ももの前側)・腸腰筋(股関節を動かす筋肉)・腓腹筋(ふくらはぎ)の3つだ。

大腿四頭筋は、立ち上がる・歩く・階段を上るすべての動作の主動筋だ。
この筋肉が弱ると、平地を歩くだけで膝が笑い始める。
スクワット 高齢者 正しいやり方では、膝を傷めないフォームで大腿四頭筋を鍛える方法を解説している。

腸腰筋は、足を前に踏み出す力を生み出す筋肉だ。
この筋肉が衰えると歩幅が狭くなり、つまずきやすくなる。
避難路の砂利や段差で転倒するリスクが高まるのは、ほとんどの場合この腸腰筋の低下が原因だ。
腸腰筋 筋トレ 高齢者で、日常生活に組み込める鍛え方を紹介している。

ふくらはぎの腓腹筋は、長距離を歩くための推進力を担う。
「第二の心臓」とも呼ばれ、下半身に滞った血液を心臓に送り返すポンプ機能も持つ。
長時間の歩行で脚がむくんで動けなくなるのは、この筋肉の弱さが一因だ。
ふくらはぎ 筋トレ 高齢者で、椅子に座ったままできるトレーニングから紹介している。

要素②:体幹の安定性(荷物を背負い続ける力)

15kgのリュックを背負って歩くとき、最初に悲鳴を上げるのは腰だ。

体幹が弱い体は、重い荷物を背負うと前傾姿勢が崩れ、腰椎に過剰な負荷がかかる。
10分も歩けば腰が痛くなり、速度が落ち、最終的には動けなくなる。

高齢者に腰痛が多い原因のひとつが、この体幹の弱さだ。
筋肉が衰えた体幹は、重力に対して姿勢を保つだけでも精一杯の状態になっている。
そこに荷物の重さが加わると、腰への負荷は急激に増す。

体幹とは腹筋だけではない。
背筋・腹横筋・多裂筋・骨盤底筋群が連動して、体の中心を安定させる。
この安定性が、長距離移動の持続力に直結する。

体幹 筋トレ 高齢者では、床に寝なくても、椅子に座ったままでも体幹を鍛えられるメニューを紹介している。
荷物を持って歩く日常動作そのものが変わる。

要素③:関節の可動域(転ばない力)

避難路は、平坦ではない。

浸水した道路、流れ込んできた土砂、崩れたブロック塀の破片、冠水して段差が見えない路面。
こうした悪条件の中で転ばずに歩くために必要なのは、足首・股関節・腰の柔軟性だ。

足首の可動域が狭いと、舗装されていない地面での踏み込みが浅くなる。
股関節の硬さは歩幅を狭め、バランスを崩しやすくする。
腰の柔軟性が低いと、体重移動がぎこちなくなり転倒リスクが上がる。

転倒は、高齢者にとって致命的だ。
避難路で転倒すれば、骨折や頭部外傷につながる可能性がある。
助けを呼べる状況でなければ、そのまま動けなくなる。
柔軟性を維持することは、転倒リスクを下げる最も確実な方法だ。

高齢者 ストレッチ 効果では、このすべての関節に対応したルーティンを紹介している。
特に腸腰筋 ストレッチは、股関節の可動域を直接改善し、歩行の安定性に即効性がある。

このサイトに並んでいる筋トレとストレッチの記事は、すべてこの「防災体力」を構成するためのものだ。
筋トレは趣味でも健康増進でもない。
緊急時に自分の脚で逃げ切るための、インフラだ。

防災体力を確認する3つのチェック

自分の防災体力がどこにあるかを、今すぐ確認できる。

難しいことは何もない。
3つのチェックだけだ。

チェック①:15kgのリュックを背負って、10分間立っていられるか

まずリュックに重りを入れて15kgにする。
米袋や水のペットボトルを組み合わせれば実現できる。
それを背負って、10分間ただ立っているだけでいい。

腰が痛くなる、肩が落ちてくる、前傾姿勢が崩れる、そういう症状が出るなら体幹と下半身の筋力が不十分だ。
10分で音を上げるなら、2kmを30分歩くことは現実的ではない。

実際にやってみると驚く人が多い。
「普段から歩いている」と思っていた人でも、荷物を背負うと5分で腰が悲鳴を上げることがある。
これが現実の防災体力だ。

このチェックで問題が出た場合は、体幹 筋トレ 高齢者スクワット 高齢者から始めるのが正解だ。

チェック②:椅子から手をつかずに立ち上がれるか

椅子に深く腰掛け、腕を胸の前で組む。
その状態から立ち上がる。

手をつかずに、反動をつけずに、1回でスムーズに立てるかどうかを確認する。

これは「立ち上がりテスト」と呼ばれる体力評価の基本動作だ。
この動作ができない場合、大腿四頭筋と腸腰筋が実用レベルを下回っている。

荷物を持って歩く動作は、この「立ち上がり」の繰り返しに近い負荷を脚にかけ続ける。
腸腰筋 筋トレ 高齢者スクワット 高齢者が、直接的な改善につながる。

チェック③:30cmの段差を片足で上がれるか

玄関の上がり框や低い段差を使う。
片足で踏み切り、もう片方の足を引き上げて段差を上がる。

グラつかずに、手をついたりよろめいたりせずにできるかを確認する。

避難路には、崩れた縁石、浸水で見えない段差、がれきの山がある。
そうした障害物を突破するためには、片足で全体重を支えてバランスを保てる脚力と体幹が必要だ。

このチェックで問題が出た人は、腸腰筋 ストレッチふくらはぎ 筋トレ 高齢者が有効だ。

3つのチェックをすべてクリアできた人は、防災体力の基礎は整っている。
だが基礎があるだけでは、持続力が不十分な場合もある。
2kmを実際に歩いてみることが、最も正確な自己評価になる。

チェックに引っかかった人は、深刻に受け止める必要がある。
「今は平時だからまだいい」という考えは通用しない。
体力の低下は、今日も明日も進み続ける。
現時点でチェックをクリアできないなら、来年はさらに難しくなる。
筋トレを始める理由は、「今できていないから」ではなく、「今からでも間に合うから」だ。

グッズ・備蓄の備え。体力と並行してやること

体力の話を先にしてきたのは意図的だ。
ほとんどの防災記事はここから始まるが、全力老人はここを後に置く。

グッズは体力があって初めて意味を持つ。
背負えない荷物は、荷物ではなく重りだ。

その前提を共有した上で、グッズ・備蓄の話をする。

高齢者特有の備蓄品

高齢者の防災で見落とされがちなのは、一般的な「防災グッズリスト」が若年層を想定して作られていることだ。

高齢者が特に意識すべき備蓄品がある。

まず常備薬だ。
高血圧・糖尿病・心疾患などの慢性疾患を抱える人は、薬が途絶えることが命に直結する。
最低7日分、できれば14日分の予備を常に手元に置く体制を整える。
かかりつけの医師に「防災のために多めに処方してほしい」と相談することは、正当な理由だ。

次に補聴器・入れ歯・老眼鏡だ。
これらは「生活に必要な器官」そのものだ。
補聴器がなければ避難所のアナウンスが聞こえない。
入れ歯がなければ食事ができない。
老眼鏡がなければ薬の名前が読めない。
予備の電池・充電器・ケースとともに、必ず防災リュックに入れる。

介護用品(紙おむつ・吸水パッドなど)も、必要な人は必ず備蓄する。
避難所では入手が困難なことが多く、尊厳の問題にもなる。

防災リュックの重量は「背負える重さ」を基準に選ぶ

防災の専門書やメディアでは、防災リュックに入れるべきものを列挙することが多い。
水・食料・雨具・救急用品・懐中電灯・ラジオ・着替え・現金・コピー書類……。

すべて入れると20kgを超える。

だが20kgのリュックを背負って避難できる高齢者は、ほぼいない。

防災リュックは「理想の装備」より「実際に背負って動ける重量」で決める。
自分が快適に歩ける重量を先に確認し、そこから入れるものを逆算して選ぶ。

体力が低い段階では、軽くて高カロリーのものを優先する。
水は重いため、避難所や公共施設での補給を前提に、最小限にする判断もある。

なお防災リュックの選び方・中身の優先順位については、専用記事で詳しく解説する予定だ。(※準備中)

警戒レベルと避難タイミングの基礎知識

政府広報オンライン「『警戒レベル4』で危険な場所から全員避難!」{:target=”_blank” rel=”noopener noreferrer”}によると、高齢者は警戒レベル3の段階で避難行動を開始することが推奨されている。

「避難指示」(レベル4)を待ってから動くのは、高齢者にとって遅すぎる。
体力が低いほど、判断と行動のリードタイムを長くとる必要がある。

「レベル3が出たら動く」と、今日のうちに決めておくことが最初の備えだ。

栄養の備蓄についても触れておく。
避難生活は、栄養が著しく偏る。
炊き出しや支給食は炭水化物が中心になりやすく、タンパク質が慢性的に不足する。
タンパク質が不足すると筋肉量が落ち、避難所での生活体力が低下する悪循環に入る。

東日本大震災の被災地調査では、避難所生活が長引くにつれ、高齢者の身体機能が急速に低下したことが報告されている。
食事内容の偏りと、運動機会の喪失が重なったことが原因とされている。
つまり「避難できた」後も、体力を維持し続けることが生存に直結する。

タンパク質 高齢者 摂り方またはプロテイン 初心者 高齢者で、避難生活でも確保できるタンパク質の取り方を確認しておくことを勧める。

避難シミュレーションを今日やること

防災グッズを買った。
常備薬を余分に揃えた。
ハザードマップも確認した。

それで終わりにしている人が多い。

だが「物を揃えること」と「動けること」は別だ。

筋トレのルーティンを頭で知っていても、実際にやっていなければ筋肉はつかない。
避難経路を地図で把握していても、実際に歩いていなければ本番では動けない。

「頭で知っていること」と「体が動くこと」は、全く別の能力だ。
緊急事態の中で、パニック状態で、雨風を受けながら、荷物を担いで動くためには、体が「自動的に」動く状態にしておくしかない。
それを作るのが繰り返しのシミュレーションだ。

今日できる最初のシミュレーション

まず、空のリュックを背負って避難所まで歩く。
距離と時間を測る。
どこに段差があるか、どこが滑りやすいか、どこで休憩が必要かを体で覚える。
近道と遠回りの両方を確認し、浸水・倒木・道路閉鎖を想定した代替ルートも把握しておく。

次に、実際に使う荷物を入れて歩く。
背負える重さかどうかを確認する。
腰が痛くなった場所、息が上がったポイントを記録する。
荷物の重さが増えると、同じ道が別の道に感じるほどきつくなる。
この体験が、リュックの中身を取捨選択する基準になる。

最終的には、雨の日に歩く。
雨具を着て、濡れた地面を、実際の荷物を背負って歩く。
晴れの日と条件がまったく違うことを体で理解する。
雨具の中は蒸れて体力を消耗しやすく、足元は滑りやすく、視界も落ちる。
「雨の中でも動ける」と確認できて、初めて本物の備えと言える。

年1回では足りない

毎年9月1日の防災の日にシミュレーションをする、という習慣化の提案をよく見る。
それは何もしないよりずっといい。

だが全力老人は言う。
年1回は足りない。

避難訓練と筋トレは同じだ。
繰り返すことで初めて、本番で体が動く。

筋肉は1回のトレーニングでつかない。
避難の動作も1回のシミュレーションでは身につかない。

月1回、季節ごとに、できれば梅雨・台風シーズン前に実施する。
荷物の重さを少しずつ増やし、歩く速度を少しずつ上げていく。

季節ごとに歩くことには、もうひとつの意味がある。
道路状況や周辺環境は変わる。
新しい建物が建って避難経路が変わることもある。
工事中で通れない道ができることもある。
年1回の確認では、こうした変化を見逃す。

これは「防災訓練」ではなく「防災トレーニング」だ。
体力と経路の両方を、同時に鍛える行為だ。

そしてこのトレーニングが苦しいと感じるなら、それは筋トレで補強が必要なサインだ。
シミュレーションを通じて、自分の弱点を見つけ、対応する筋トレとストレッチで補強する。
この循環が、本当の防災準備だ。

よくある質問

Q. 防災グッズを揃えるより筋トレを優先すべきですか?

どちらか一方ではなく、並行してやることが正解だ。
ただし順番をつけるとすれば、筋トレを先に始める。
グッズは1日で揃えられるが、体力は1日では揃えられないからだ。
防災リュックを買った日に、スクワットも始める。それが全力老人の答えだ。

Q. 70代でも防災体力は鍛えられますか?

鍛えられる。
筋肉は何歳からでも増やせることが、スポーツ科学の研究で繰り返し示されている。
特に大腿四頭筋と腸腰筋は、正しいトレーニングを継続すれば70代でも有意な改善が得られる。
「もう遅い」という思い込みが最大の障壁だ。
始める前から諦めることだけが、唯一の失敗だ。

Q. 避難所まで歩けない場合、どうすればいいですか?

現実的な選択肢を持つことが重要だ。
垂直避難(自宅の2階・3階への移動)が有効な場合もある。
福祉避難所の場所を事前に確認しておくことも必要だ。
だがそれ以前に、「自力で歩けない状態」を放置することが問題だ。
今の体力では無理でも、筋トレで改善できる余地がある場合、その余地を埋めることが先決だ。

Q. 防災リュックは何kgが適切ですか?

一般的な目安は体重の10〜15%とされているが、それより大切なのは「自分が実際に背負って2km歩けるか」だ。
理論値ではなく、実際に背負ってシミュレーションをして、問題なく歩ける重量を自分で測ることが正確な答えになる。
体力が低い段階では、まず5〜8kgで試し、筋力向上に合わせて重量を増やしていく方法が現実的だ。

Q. 家族(子世代)に親の防災を任せてもいいですか?

任せることと、自分で動けることは別の話だ。
子世代が駆けつけられない状況での災害が、最も危険だ。
東日本大震災も令和2年7月豪雨も、深夜や早朝に起きた。
「いざとなれば息子が来る」という前提は崩れる。
自分の体で逃げられる準備をすることが、家族に迷惑をかけない最善の策だ。

まとめ

高齢者の防災に必要なものは2つだ。

今夜確認できるグッズと備蓄。
明日から積み上げる体力。

グッズは1日で揃えられる。体力は1日では揃えられない。
だから、体力の準備を今日始める必要がある。

防災グッズを買った達成感で終わらせない。
備蓄を整えた安心感に止まらない。
その荷物を背負って、本当に2km歩けるかを問い続けることが、高齢者の防災の核心だ。

家族に迷惑をかけたくないなら、動ける体を作れ。
孫を守りたいなら、まず自分が逃げ切れる体を持て。

このサイトにある筋トレとストレッチの記事は、そのために書かれている。
まずスクワット 高齢者高齢者 ストレッチから始めることを勧める。
グッズより先に、脚を鍛えよう。

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