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高齢者のスクワットは何回が正解か?10回・20回・30回それぞれの意味を解説

スクワットは何回やればいいのか——この問いには、体力レベルによって異なる正解がある。
「とりあえず10回」「多ければ多いほどいい」と考えている方は少なくないが、実は回数の設定には明確な根拠がある。
この記事では、高齢者のスクワット回数を体力別に設定する考え方と、段階的な増やし方を解説する。
持病のある方・膝腰に不安のある方は、主治医に相談の上でトレーニングを行ってほしい。
スクワットの正しいフォームについては以下で詳しく解説しているので、まだ読んでいない方は先に確認しておくことをおすすめする。

スクワットの回数を決める2つの基準
スクワットを始めるとき、「何回やればいいのか」と悩む方は多い。
だが回数は最初から固定するものではなく、自分の体の状態を基準に決めるものだ。
判断の軸になる基準が2つある。
基準① 今の体力で「少しきつい」と感じる回数
回数設定の第一の基準は、完璧にこなせる回数ではなく、最後の2〜3回でやや苦しいと感じる回数だ。
これは筋力トレーニングの基本的な考え方であり、「適切な負荷」を見極めるためのシンプルな指標として広く用いられている。
楽すぎる回数では筋肉への刺激が不十分で、体の変化は起きにくい。
一方、きつすぎる回数はフォームが崩れやすくなり、膝や腰への負担が増すためケガのリスクが高まる。
「最後の2〜3回でやや苦しいが、なんとかこなせる」という感覚が、今の自分に合った回数の目安になる。
東京都健康長寿医療センター研究所の資料では、スクワット等の筋力運動において「ややきついと感じる程度の負荷」が推奨されており、自分の感覚を基準に回数を調整することが有効とされている。
1〜10のスケールで「ゼロが座位、10がもう限界」とした場合、6〜7程度のきつさが適切な目安だ。
その日の体の状態は日によって違うため、設定回数に縛られすぎず、感覚を優先することを覚えておいてほしい。
基準② フォームが維持できる限界回数
第二の基準は、正しいフォームを保てる限界の回数だ。
フォームが崩れ始めたらそこが今日の上限だ。
崩れたフォームで回数を重ねることに意味はない。
正しいフォームで5回できた方が、崩れたフォームで15回やるよりはるかに価値がある。
これは回数を増やすことに意識が向きやすい方にとって、特に重要な原則だ。
スクワット中にフォームが崩れるサインとしては、膝が内側に入る・背中が丸まる・かかとが床から浮くなどが代表的なものとして挙げられる。
こうしたサインが出た時点でその日のトレーニングを終了し、次回につなげる判断が長く続けるためのコツになる。
正しいフォームの詳細については、以下で確認してほしい。

体力レベル別の回数設定
スクワットの適切な回数は、一律に決められるものではない。
今の体力レベルに合わせた設定が、安全で効果的なトレーニングにつながる。
以下の3つのレベルを参考に、自分に合った出発点を見つけてほしい。
入門(スクワット初心者・体力に自信がない方)
目安:5回×2セット・週2回
「5回は少なすぎる」と感じる方もいるかもしれないが、5回でも正しいフォームで続けることには十分な意味がある。
体力に自信がない方がいきなり10回以上に挑戦すると、フォームが崩れやすくなり、膝や腰を痛めるリスクが高まる。
まず5回を2週間続けることを最初のゴールに設定してほしい。
スポーツ医療の分野では、運動習慣のない方や高齢者には少ない回数から始める段階的なアプローチが一般的に推奨されており、体への負担を最小限に抑えながらトレーニングを継続することが長期的な成果につながるとされている。
セット間は1〜2分の休憩を取り、体が回復してから次のセットに入ることを意識してほしい。
もし5回でも最後に強い疲労感や膝の違和感を感じる場合は、3回から始めても構わない。
痛みが出た場合は即座に中止し、医師に相談してほしい。
標準(1ヶ月以上継続できている方)
目安:10回×2セット・週2〜3回
「10回×2セット」という数字は、筋力トレーニングの現場で広く用いられている目安だ。
体力的に十分な刺激を与えながらも、フォームを維持しやすい範囲として多くのトレーニング指導者が採用している。
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも、高齢者の筋力トレーニングとして週2〜3日の実施が推奨されており、10回という単位はこのガイドラインの考え方とも整合している。
1ヶ月以上スクワットを継続している方であれば、フォームもある程度身についているはずだ。
この段階では、ただこなすのではなく「ゆっくりと丁寧に動く」ことを意識してほしい。
しゃがむ動作に4〜5秒、立ち上がる動作に3〜4秒かけるスロートレーニングの要素を取り入れることで、同じ10回でも筋肉への刺激が増し、より効率的なトレーニングが期待できる。
タニタの解説によれば、時間をかけてゆっくり動くトレーニングでは筋肉が常に緊張状態をキープするため、軽い負荷でも十分な効果が得られるとされている。
頻度については以下で詳しく解説しているので、週何回やるべきか迷っている方は合わせて確認してほしい。

発展(3ヶ月以上継続・体力がついてきた方)
目安:15回×3セット・週3回、または重りを追加しての10回×3セット
3ヶ月以上スクワットを継続し、10回×2セットが物足りなく感じられるようになってきた方は、次のステップを検討する時期だ。
回数だけを際限なく増やし続けるよりも、重さ(ダンベル等)を加えることで新しい刺激が生まれやすい。
筋肉は同じ負荷に慣れると適応してしまうため、定期的に刺激の種類を変えることが継続的な筋力向上につながる。
ダンベルなどの器具を使ったトレーニングについては、[「高齢者 筋トレ グッズ」]()で詳しく紹介しているので参考にしてほしい。
ただし、器具を使い始める際は最初から重いものを選ばず、体の反応を確認しながら少しずつ負荷を高めていくことが重要だ。
この段階においても、膝や腰に違和感を感じた場合は無理をせず、前の段階に戻ることをためらわないでほしい。
回数を増やすタイミングと方法
回数を増やしたい気持ちは理解できる。
しかし、タイミングや方法を間違えるとケガのリスクが高まる。
正しいタイミングと方法で少しずつ積み上げていくことが、長期的な成果につながる。
同じ回数を2週間楽にこなせたら増やすサイン
設定した回数を2週間続けて「物足りない」「まだできる」と感じるようになったら、次のステップに進む良いタイミングだ。
逆に言えば、まだきつさを感じているうちは増やす必要はない。
「今の回数がちょうどいい」という感覚が2週間続いてから初めて、増量を検討してほしい。
一度に大幅に増やすことも避けた方がいい。
5回増やしたい場合は、最初の1週間は3回増やして様子を見て、問題がなければ残りの2回を追加するという段階的なアプローチが安全だ。
急に増やすと体が対応しきれず、フォームの崩れや関節への負担増につながりやすい。
体の反応を確認しながら、一歩ずつ積み上げていく姿勢を持ってほしい。
増やすのは回数だけではない
「もっと刺激を増やしたい」と思ったとき、選択肢は回数を増やすことだけではない。
回数を増やす・セット数を増やす・セット間の休憩を短くする・重りを追加する——この4つのアプローチを状況に応じて使い分けることが、停滞を打破する鍵になる。
60代の方には、同じ種目の回数を増やし続けるよりも、種目数を増やしてバランスよく全身を鍛える方向が適しているケースが多い。
スクワットで下半身を鍛えながら、腕立て伏せや腹筋運動など別の種目を組み合わせることで、トレーニングの多様性が生まれ、飽きずに継続しやすくなるという側面もある。
「スクワット1種目を極める」よりも「複数の種目を無理なく続ける」発想が、高齢者の健康維持には向いていると多くのトレーニング指導者が述べている。
まとめ
高齢者のスクワット回数の正解は、体力レベルによって異なる。
最初は5回でいい。
フォームを守りながら2週間続けることが、最初のゴールだ。
体力に自信のない方は5回×2セット・週2回から始め、1ヶ月以上継続できている方は10回×2セット・週2〜3回へ、さらに体力がついてきた方は15回×3セットまたは重りを加えた10回×3セットを目安にしてほしい。
どのレベルでも共通するのは、フォームが崩れたらその日は終わりにするという原則だ。
崩れたフォームで回数を重ねることに意味はなく、むしろケガのリスクを増やすだけだ。
回数が決まったら、次は頻度の設計も合わせて考えてほしい。
「週何回やるか」の判断については「高齢者のスクワットは毎日やっていいのか?正解は「部位を考えて判断する」だ」で詳しく解説している。
スクワットを正しい回数・正しい頻度で続けていくことが、逃げ切れる体をつくる確実な一歩になる。
